後藤 真紀子 MAKIKO GOTO

東京弁護士会所属

医療事故(患者側)・交通事故などの人身損害賠償請求事件や、成年後見などの高齢者・障がい者に関する事件を多く取り扱ってきました。

そのほか、家事事件(離婚・相続・遺言書作成等)、不動産に関する事件中小企業法務(法律相談、契約書チェック※英文も可 等)、を中心にお引き受けしています。依頼者の方の声を聞き、共に考えながら法的な道筋をつけるお手伝いをしたいと考えています。
東池袋法律事務所(関東・東京)に所属。その他の地域の方は一度ご相談ください。

医療事件を多く取り扱ってきたので、医学的な知見の調査やカルテの分析を得意としています。

弁護士歴 18年 ※2019年現在
これまでの成功事例


私には、出産時の医療事故で脳性麻痺となり、知的障害のある叔母がいます。 弁護士になり、たくさんの依頼者の方と接する中で、頭のどこかで、叔母のような人を助けたいという思いがよぎることがありました。

そしてあるとき、交通事故で頭部外傷を負い、高次脳機能障害やてんかん発作の後遺障害が残ってしまった男性と出会い・・・

交通事故で頭部外傷を負い、高次脳機能障害やてんかん発作の後遺障害が残ってしまった男性。当時、まだ40代でした。責任のある仕事をしてきたのに、ちょっと前のことを覚えていられず、今までと同じように仕事ができない。 いつ起きるかわからないてんかん発作への不安。 いつか仕事を辞めさせられてしまうのではないか。

明らかに事故の前とは全く違った生活になってしまっているのに、目に見えにくいために、周りの人には苦労をわかってもらえない。

不安で一杯の毎日を送っていた中、その男性に自賠責の等級認定結果が届き、ここでも「後遺障害には該当しない」と言われてしまったのです。脳の画像に脳挫傷が写っていないということが理由でした。

誰にどのように相談していいかもわからず、このまま諦めるしかないのかな、と途方に暮れていたところで、たまたま知り合いを通じてご相談くださったのです。

私は、医療事件を多く取り扱ってきたので、医学的な知見の調査やカルテの分析を得意としています。 この方が交通事故に遭った直後からのカルテや画像を検討し、心ある複数の医師に意見を伺いました。その結果、画像だけでは足りなかった部分について診断書を書いていただき、それに基づき弁護士として意見書を作成し、その方の客観的な状況を詳細に保険会社に説明した結果、非該当の結果を覆し、後遺障害認定を取ることができました。

損害賠償請求の交渉も順調に進んでいき、初めは気丈にふるまっていたものの常に緊張していたその方に笑顔が見られるようになりました。「気が楽になってなんとなくうまく行く気がすると思えるようになった」 「後遺障害だと認めてもらえたことで、ストレスが減って落ち着いた気がする」とおっしゃって、冗談も出るようになりました。

そして、この調査の過程で、信頼できる医師と出会ったその方は、服薬や日常生活に気をつけることで、 症状をコントロールすることもできるようになりました。

もちろん、医学は100%ということはなく、どんなに頑張っても証明できないこともあります。

しかし、これまでの弁護士としての仕事の中で、高次脳機能障害、知的障害、認知症など、判断能力が低下した方々の成年後見人をさせていただく機会にも恵まれ、障害を負った方が社会で生きていくために、損害賠償だけでなく、どんな社会資源を使っていくのがいいのか、共に考えることもできるようになりました。

そうした中で、なんとなくいつも脳裏にあった叔母の姿とその方々の姿が私の中で重なっていったのです。事故によって障害を負わされた人が、適切に賠償を受けられるために、法的な道筋をつけるお手伝いをすること。

そして、その方が社会で生きていくために、様々なネットワークにつなげていくこと。諦めそうになっている人の力になるために活動しています。

経歴

1999年3月 一橋大学法学部卒業
1999年10月 司法試験合格
2001年10月 第一東京弁護士会に弁護士登録
2002年10月 東京弁護士会に登録替え
2008年4月 弁護士法人東京パブリック法律事務所赴任
2010年8月 弁護士法人東京パブリック法律事務所退任、弁護士法人きぼう設立
2019年1月 東池袋法律事務所入所

活動・所属団体

  • 東京三会医療関係事件検討協議会委員
  • 医療問題弁護団
  • HPVワクチン薬害訴訟東京弁護団
  • 薬害肝炎弁護団
  • 患者の権利オンブズマン東京
  • 薬害オンブズパースン会議(2009年~2018年)
  • 東京弁護士会高齢者・障害者の権利に関する特別委員会委員(2006年~2018年)
  • 日本弁護士連合会高齢者・障害者権利支援センター委員(2008年~2018年)
  • 豊島区社会福祉協議会サポートとしま専門相談員
  • 中野区成年後見支援センター専門相談員
  • 日弁連交通事故相談センター本部嘱託(2015年~2017年)
  • 社会福祉法人中野あいいく会 評議員・権利擁護委員
  • 日本認知症学会 利益相反委員・倫理委員

著書

  • 「事例解説 成年後見の実務」青林書院・共著・2016年
  • 「医薬品の安全性と法~薬事法学のすすめ」エイデル研究所・共著・2015年
  • 「Q&A成年後見実務全書〈第1巻〉〈第2巻〉」民事法研究会・共著・2015年
  • 「薬害肝炎裁判史」日本評論社・共著・2012年
  • 「専門訴訟講座 医療訴訟」民事法研究会・共著・2010年
  • 「患者のための医療法律相談ーよりよい医療を実現するためにー」法学書院・共著・2010年
  • 「医療事故の法律相談」学陽書房・共著・2009年